Beranda / 青春 / 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜 / 第1部 一章【財前姉妹】その9 第十話 化け物の巣窟

Share

第1部 一章【財前姉妹】その9 第十話 化け物の巣窟

Penulis: 彼方
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-04 10:00:00

113.

第十話 化け物の巣窟

《みんなして同じことを願ってるなんて。良い子たちですねえ。本当に、心は強いし、優しいし。私は嬉しいです。こんな子たちが麻雀を愛してくれてることが》

(みんなの声も聞こえるの?)

《たまにね、さっきのように神様への願いみたいなものは届いたりします。私も神ですからね》

(そーなんだ。じゃあ、私たち今日も頑張るから見守っててね!)

《勝つんですよ、カオリ。あなたは私の主であり友人です。牌の神の友人なんですからね》

(任せて! 絶対勝つから)

 最終節は堂々たる麻雀で勝ちを重ねるカオリ。既に昇級が濃厚なカオリには条件戦になっている暫定順位の低い相手との間に大きな違いがあった。それは戦略の自由度。カオリは負けなければいいだけ。勝ち方に制限はないし、多少の負けも大丈夫。それに比べて他の人は大きな勝利が必要だったので何を狙っているか手に取るようにわかる。

 危なげなく勝ち切るカオリ。 

《強過ぎてなんだかドラマすらなかったですね。ここまで強くなりましたか。私の出番もなくなってしまいそうですね》 

(今日のはたまたまよ。まだ教えて欲しいことばかりなんだから。いつまでも一緒にいてね)

◆◇◆◇

 その一方でマナミは首位から落ちていた。全くノーマークだった無名の2人が12000、16000、24000と何局も早い巡目で超弩級の手をダマで入れてマナミを討ち取っていたのだ。この2人、豊田貴志(とよだたかし)と大上順平(おおがみじゅんぺい)の存在はメグミも知らない。完全に油断していた。油断は禁物とあれほどいつも思っていたのに。まあ、大上プロの方はその後ボッコボコに反撃してやっつけたんだけど豊田プロはかなり強かった。

(もう、首位がどうこうと言っていられない。なんとかこれ以上は下がらずに最

Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜   第1部 一章【財前姉妹】その10 麻雀教室建設計画

    124.第伍話 麻雀教室建設計画 喫茶『グリーン』にはアルバイト店員が5名と社員が2名それにマスターである斎藤和宏(さいとうかずひろ)さんとオーナー夫婦がいて計10名でやりくりしている。マスターは要するにご両親の作った店を任されている二代目なのだ。オーナー夫婦は全面的に息子に店を任せており、あまり出てこない。しかし、アンがいる時だけは違った。とくに奥様の斎藤光子(さいとうみつこ)さんはアンのことをいたく気に入っており実の孫かのように可愛がった。「ほんと、アンちゃんはいい子ねえ」が口癖な程、目一杯に可愛がってくれるからアンは言い出せないでいた。ここでの仕事は修行だけのつもりで、いずれ東京に出て行こうと思ってる。ということを。 その事をその日来ていたユウに相談していた。「いずれは私たち、麻雀教室をやるでしょ。その、多分東京でやる方がいいのはわかるんだけど、どうしてもここのおばあちゃんが気になっちゃって…… 私自身やめたくないし、でも、ユウさんと夢叶えたいしで、いつどうしたらいいか分からないの……」 すると、実はトイレに入っていた光子さんにその話が全て聞こえていた。「…話は聞いたわ。ごめんなさいね。私が若い子の夢を邪魔してたなんて」「違います! 邪魔なんかしてないの。ただ私が優柔不断なだけで」 すると閃いたように「インターネットを使えばどうかしら」と光子さんが言った。「そうよ、この店はムダに広い駐車場があるからそこに簡易的な施設を用意して麻雀教室を可能にするの! うちのメニューも頼めるようにしたらいいわ。そして、インターネットも繋げてネットで麻雀教室も可能にしたらいいじゃない! そしたら……」(そしたらアンちゃんと離れ離れにならないもの。もう、孫を失うのは二度とごめんよ)「そっ、そんなこと。そもそもお金がすごくかかりませんか?」「だてに長生きしてないわよ。私も旦那も、若い

  • 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜   第1部 一章【財前姉妹】その10 第四話 取材

    123.第四話 取材 財前姉妹は喫茶『グリーン』で取材を受けていた。月刊麻雀師団という見た事も聞いた事もない月刊誌の取材だそうだ。(こんなのがあったのか)と2人とも思ったが、聞いたことない雑誌ではあるけどわざわざ水戸まで出向いてくれたので誠意ある対応をしなければと思った。「師団のプロが働いてる雀荘には置いてると思うんだけど、読んだ事ないですか?」「ごめんなさい、知りませんでした」「私も」「おかしーなー。『ひよこ』なら成田プロがいるから置いてると思ったのに」「まあ、ひよこは本棚が無いからね」「本棚がない?!」「はい、だから『月刊麻雀プロ』も届きますけどいつもマスターが持ち帰ってますし、多分この雑誌も…… 本棚らしきものが沢山あったような跡は床にあるけど今はそこにケータイ充電器が『各種無料です、ご自由に』という形で置いてあります。小さな雀荘ですからね。スペースを大切にしてるんです。新聞ならありますけど」「昔は卓数が少なかったんじゃないかな。待ち席付近の1台だけ最新機種だから。あれを置くために待ち席付近にぐるっとあったであろう本棚を無くして増卓したんじゃない?」「はあ、なるほど。繁盛してるって事ですね、そう言う理由なら仕方ないかー。でも最新号だけでも新聞と一緒に置いて欲しいなあ」「マスターに相談してみますね」「頼むよ」 そう言って記者は一口アイスコーヒーを飲む。「…! うまい! このアイスコーヒーは?!」「そうなんですよ。ここアイスコーヒー美味しいんですよ」 すると店主が声をかけてきた。「ありがとうございます。麻雀雑誌の記者さんですか? ……このアイスコーヒーは昔、千葉県に住んでいた時に働いていた喫茶店で教わったものでね。そこもアイスコーヒーで有名な店でした」「それ、もしかして勝田台の『えにし』じゃないですか!?」

  • 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜   第1部 一章【財前姉妹】その10 第三話 ラボ

    122.第三話 ラボ 飯田雪はおぼつかない手つきだった。牌に触れたのは今日が初めてだと言うからそれも仕方ない。「なんか麻雀牌って重いんですね。それに、デザインも描いてるんじゃなくて彫ってあるんですね。素敵だなあ。知らなかったなあ」 そう言いながら飯田はまじまじと自分の手牌を見つめる。「盲牌(モーパイ)って聞いたことないか? あれはさ、指先の(主に親指の)腹だけで何の牌を引いたか当てることなんだよ。この彫りの手触りだけでね」「そっ、そんなこと可能なんですか?!」「出来る人には出来る。おれは苦手だけど」「ふふっ! なんだ、苦手なんですね。凄い! と思って聞いてたのに」 ふふっ! と笑う飯田は笑顔が幼い少女のようでなんだかミサトはキュンときた。 そんなこんなで半荘2回を行いミサトと店長が1回ずつトップを取って終了した。半荘2回を通して飯田を観察したミサトの感想は(飯田さんはとても丁寧に麻雀するなあ…… 鍛えたら強くなりそう。あと、顔がかわいい、髪を伸ばせばもっといいのに)と思ったという。 ゲーム終了後にミサトは思い切って話しかけた。「あ、あのさ。飯田さん。私も今18歳なんだけど、私達お友達になれないかな?」「えっ…… ぜ、ぜひよろしくお願いします。ユキって呼んでください。名前…… 気に入ってるので」「同じ同じ! 私も自分のファーストネームを気に入ってるの! 私のことはミサトって呼んでね、ユキ!」「わかりました…… よろしく、ミサト」(かわいい~!) ミサトの中で何か禁断の扉がバカン! と勢いよく開いたような音がした気がしたが(気のせいだろう)と思うことにした。

  • 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜   第1部 一章【財前姉妹】その10 第二話 雪

    121.第二話 雪 その日、ミサトは『ひよこ』でフリー打ちしようとしていた。待ち席で空きが出るのを待っているミサト。……するとミサトのバイト先の店長である小宮山(こみやま)とその部下かな? と思われる方が来店する。 少し暖かくなってきたと思ったらまた最近は冷え始めていて、その部下っぽい人は青い野球帽を深く被っていて顔ははっきりと見えないが下は厚手のジーンズに少し厚みのあるフカフカした靴下を履いていた。それだけで、ミサトは直感する。(この人は強そうだ)と。 結婚してる感じはしないから多分自分で選んだ服装だろう。この靴下。季節という先入観にとらわれることなく、自分の感覚で(今日は寒い)と感じて最適な服装を選択出来る判断力。 毛玉のできやすい素材のはずなのに綺麗なままの毛玉ひとつない靴下。 つまり、几帳面。ズボラな人なら隙もあるが几帳面だと麻雀にも隙がない。 このように、ミサトくらいになれば一目見ただけで強いかどうかはやる前から見当が付くのである。(これは、締めてかかる必要がありそうね)「こちらの方は?」「あ、ミサトにはまだ紹介してなかったな。ウチの事務仕事担当の飯田君だ。まだ18歳だけどよく気付く子でね。裏方だからあまり顔を合わせることもないけど、同じ店の仲間だから。よろしくな」「飯田です。よろしくお願いします」「私は麻沼スズメこと井川ミサトです。よろしくお願いします」(男性にしてはずいぶん声が高いな)「飯田君はフリー雀荘に興味があると言ってたので連れてきたんだ。ゲームでしかやったことない子だから。もし良かったらでいいんだがミサトも一緒に0.5(テンゴ)で教えてあげてくれないか?」「あ、そういうことでしたか。1.0(ピン)で3人同卓の血で血を洗うバトルが始まるのかと思いましたよ。0.5ね。それなら、いいですね」

  • 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜   第1部 一章【財前姉妹】その10 第一話 最推し

    120.ここまでのあらすじ 数々の強敵を下しC3リーグを突破したカオリたち。来期からはC2リーガー。しかし、その前に女流リーグがある。 女性だけの戦いにカオリたちがいま参戦する! 【登場人物紹介】財前香織ざいぜんかおり通称カオリ主人公。女子大生プロ雀士。読書家で書くのも好き。クールな雰囲気とは裏腹に内面は熱く燃える。柔軟な思考を持ち不思議なことにも動じない器の大きな少女。神の力を宿す。財前真実ざいぜんまなみ通称マナミ主人公の義理の姉。麻雀部部長。攻撃主体の麻雀をする感覚派。ラーメンが大好き。妹と一緒に女子大生プロ雀士となる。神に見守られている。第36期新人王戦3位佐藤優さとうゆう通称ユウ兄の影響で麻雀にハマったお兄ちゃんっ子。誘導するような罠作りに長けている。麻雀教室の講師になることが夢。第1回UUCコーヒー杯優勝竹田杏奈たけだあんな通称アンテーブルゲーム研究部に所属している香織の学校の後輩。佐藤優の相棒で、一緒に麻雀教室をやることを夢見ている。佐藤卓さとうすぐる通称スグル佐藤優の兄。『富士2号店』という雀荘の遅番メンバー。萬屋の右腕的存在。自分の部屋は麻雀部に乗っ取られているが全く気にしていない。井川美沙都いがわみさと通称ミサト麻雀部いちのスタミナを誇る守備派の女子大生プロ雀士。怠けることを嫌い、ス

  • 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜   第1部 一章【財前姉妹】その9 第十六話 豊かな人生

    119.第十六話 豊かな人生「じゃあ、まず店長に連絡しましょう」「そうね、プロ辞めたと思ってシフト作り始めてたら大変だものね、だって来月は女流リーグが始まるし」 そう、プロリーグはカオリたちには2つある。1つは普通の男女混合リーグ。そしてもう1つは女性だけのリーグ戦『女流リーグ』だ。 リーグ戦を終えたら直ぐに女流リーグが始まる。「あ、もしもし。店長、あのね実は……◆◇◆◇ 一方、中野雅也はというと、ニューヨーク支店行きを結局は喜んでいた。(リーグ昇級をムダにしてしまったのは悔やまれるけど会社員にとって栄転はそれ以上に喜ばしいことだ。まして、ニューヨーク支店。断ったりしたら一生後悔する) 中野の今期リーグ戦は役満をツモったり三倍満をツモったりと奇跡の首位昇級だった。それだけでいい、辞めるならむしろこの、自分が最強だった記憶を最後にするのは悪くない。中野はそう思うことにした。  中野はプロになるきっかけとなった雀荘『あおい』の店主に挨拶をしに行った。あおいのオーナーの後押しがあったからプロになろうと思ったのだ。「史子(ふみこ)さん、おれ、この店に偶然出会えて本当に良かった。 おかげでこんなに楽しい思い出がいっぱいです。おれの人生は、今とても豊かです。恋人がいなくても。結婚してなくても。プロリーグを辞める事になっても。こんなにも豊かです。 少しの間お別れですけど、いつかまたここに来ますね。 今日までプロ雀士中野雅也を応援していただき、誠にありがとうございました!」 「雅也くん。また、卓上で会える日が来るって信じてるよ。栄転おめでとう」「……必ず、また会いに来ます。どれだけ先になろうとも、必ず!」 そう言うと中野はガラガラッと扉を開けた。「もう帰るのかい? 1回くらい打っていきなよ」「けっこう忙しくてね、時間がないんだ。マスターにもよろしく言って下さい。それじゃ。また」※マスターは基本的に遅番をしてるので今はぐっすり寝ている時間だった。「うん、またね。約束だよ」 かくして、繰り上げとは言え財前香織はリーグ戦初出場にして首位昇級者。井川美沙都は新人王にして2位昇級。財前真実は新人王戦3位で4位昇級となった。素晴らしい結果である。 これにより、彼女たちは新世代のスーパールーキーとしてその存在を認知され始めるのであった――

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status